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ITベンチャーで広報の立ち上げをやっています。当ブログに記載されている内容は個人の考えであり、所属先の公式な見解を表すものではありません。

一度きりの人生を。「another life」クラウドファンディング達成記念イベントに行って考えたこと

少し前のことになりますが、WEBメディア「another life」のクラウドファンディング達成記念イベントに伺ってきました。

greenfunding.jp

 

WEBメディア「another life」について

 
 
「「一日だけ、他の誰かの人生を」 というコンセプトで、1日1人のペースで、様々な人生を追体験できるコンテンツを提供しています。客観的な大きなことを成し遂げているか否か、ではなく自身の生き方に納得感を持つ方の半生のストーリーを配信しています。
 
非公式に聞くのは「個人版情熱大陸」とも呼ばれているそうで、これまで800人もの一般人(とはいっても界隈で有名だったり、顔の広い人で何かしら功績を収めている人)を取り上げています。
お時間がある時にぜひ読んでいただきたいのですが、記事の濃さがすごいです。誰よりも、他人の人生に興味があって、それを伝えたいと思っている方々なんだろうなというtのがひしひしと伝わります。ついでにいうと、聞き出す技術と伝える技術も持っている方々でないと、ここまで人を動かす記事は書けないと思うのです。
 

出ることに価値のあるメディア

正直、このクラウドファンディングでは、「どうして本なんだろう? 本が流通に乗っていないのであれば、WEBのほうが広く見てもらえるのに」と感じていました。それでも支援したのは、メディアとして応援しているからです。
私は身近にWEBがあるけれども、人によって距離感はいろいろ。WEBは広いのにまだまだ偏っているということが見えないでいました。自分のことを全世界で見られるのは恥ずかしい、という思いも、本という「軽くない存在感」に価値を感じる人もいる。もっと小さいコミュニティ(家族、親戚、隣近所)だけで見たい、という需要もあるはずだなと。
私にはこの考えはなく、ありえる展開として実感はなかったのですが、きっと、取材された人だからこそ見える世界なのだろうとイベントを通じて思いました。
 
「another lifeに出ている」という発言が幾度も聞かれたこのイベント。登壇者からも、掲載されたことがある聴講者からも、ひとつのブランドのように、口々に言われているのを聞いたし、私もそう思います。自己紹介がわりにしている人すらいるのは、絶大な伝達力とメディアの信頼感なのだろう、と。
自分の気持ちやバックグラウンドが丁寧にまとめられて可視化されて、広く伝わる。たとえその人が伝える技術を持たなくても。それはメディアの形式をしておきながら、まるでセラピー的手法ですらあるのかなと思いました。
 

一度きりの人生。それにどこまでも向き合い、隔てなく尊敬しているメディア

イベントに行ってみて、想像以上に「生きる」ということに向き合うアプローチのセッションが多く驚きました。メディアコンセプトからしてそうではあるのですが、このイベントは「すごい他人の人生」の話を聞くものと思っていたので、想像以上に聴講者への働きかけを感じました。
とりわけ個人的に刺さったのが、「明日死ぬなら後悔するか? 後悔する人生を」というスピーチ。後悔しない人生をとよく言われるが、後悔しないということは本気で取り組んでいない証拠なのでは、ということだそうです。
それを聞いて考えたわたしの答えは「後悔する」。いまはとても本気だし、何も成し遂げてないし、これからの人生をあてにしているし、絶対後悔する。でもまだまだ突き詰め切れていないなと思わされました。
人生は80年あったらラッキーなんだ。そう認識し、もっと納得感ある過ごし方をしなくてはと思いました。
 

応援しているからこそ期待したいこと

あくまで、個人的な考えではあるのですが、まだ気になる点もあり。好きだからこその戯言だと思っていただければありがたいです。

読んでいる方々にはどこまで伝わっているんだろう

いろいろな人の人生を読んで、刺激にはなる。けど、イベントでも思ったのは、すごい人がいる! にとどまるんじゃないか。まだ取り上げられていない私は少なくともそうでした。
記事を見ても明らかなくらい取材は丁寧だし、その人がすごいことはひしひしと伝わる、でも記事を読んでも一歩熱狂的になれないのには、インタビュイーと読者とをつなぐ何かが足りないのでは? とも感じてしまいます。
もちろん私の問題かもしれません。ただ、思うのは、ここに載っている人と私にはきっと共通項がない。そういう人に届けるための「つなぎ」になるところを丁寧に拾ったり、仕組化したりとかがあると、(人生にメタ情報をふって無機質的につなぐことがいいのかはわからないですが)他人の人生がもっと自分の人生と明確につながっていく気がしています。
今後狙っている展開として図書館構想があるそうなので、もしそこに、データベース的仕組みがあれば、と勝手に感じます。上記の懸念は解消するし、その人の人生をもっと後世に残して(経験知を利用して)いけるのではないでしょうか。図書館情報学を学んだ個人的には、よりその仕組みにもに期待したいです。(整理に時間やお金がかかりそうだけど。あと、前述した「無機質的につなぐこと」への建て付けも)
 

無名だけど熱意のある人のことも読みたい

何か成し遂げた人か、目立っている人がまだまだ多いので。もっと無名だけど、もっともっと熱意の溢れる人がいればあわせて取材してほしいです。
きっと今のメディアの価値は、この濃さの中でできあがっていることはもちろんわかっており、それを薄めないことは大事だと思うので、いれば、という程度にお願いしたいです。(周りの人の巻き込みや、情報提供が鍵になりそうですね)
 

これからも応援していきます。そして、私も一度きりの人生を!

ここでは言いたいことを言っていますが、素敵なメディアだと思っていますし、イベントに伺ったことでますますその気持ちは強くなりました。
この時代だからこそフィットするし、共感を呼ぶし、需要もあってうまくはまっているメディアなので今後に期待しています。
本については機会があったらギフトとして注文してみたいです。